テレビを見るチビドノスケは、動物が登場すると、うるさい。
まず、音に反応してテレビの前に陣取り、そこに動物(らしき)物があれば、「お前は怪しい。」と文句を言う。「動物(らしき)」と書いたのは、例えば獅子舞とか、なまはげとか、そういった場合にも反応するからだ。
さて、先日、動物愛護センターの様子を映し出していた。
どこかにヒモで繋がれていたグリフォン(らしき)。到着すると、ケージに収容され、そこで一定期間を、飼い主が探しにきて救い出してくれるのを待つ。小型犬の為の空間なのだろうか、並んだケージの中には、様々な小型犬。
吠える犬、ただカメラのレンズを見つめる犬、うろうろとケージの中を動く犬。
ここでの一定期間が過ぎると、殺処分される為の大部屋へと移される、ということだ。大部屋の様子もちょっとだけ映された。ガラスパーティションにのびかかり、吠える、ゴールデンレトリバー。
さて、この、動物愛護センターの収容されている犬達の映像に、チビドノスケは、一言も声を出さなかった。
いつものように伸び上がって文句をのたまうかわりに、私の足下近くに横になり、しかし、目は映像を凝視していた。
あの犬達の発する情報は、チビドノを黙らせるに十分だった。
(生後3ヵ月まで、ブリーダーの元で過ごしたチビと姫。ブリーダーの元を離れる前日、ブリーダーの子供達と。子供達、笑っていない。)